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小さな村の地域創生の支援
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2024.08.15 ライター:猪野浩樹

都心から近い自然豊かな道志村

「地方創生」とは、それぞれの地域が特徴を活かして持続可能で自律的な社会を創ることと、そのために行われる施策のことを指します。現在、山梨県にある道志村という人口1,500人ほどの小さな村。私はそこで地域創生の支援を行っています。道志村は、山梨県の東南の端、神奈川県との県境に位置し、清流道志川の源流域に属した、緑豊かな山々に囲まれた山村です。緑豊かな土地にキャンパーが押し寄せる日本有数のキャンプ地でもあります。また、村の中央を通る「道志みち」はバイカーにも人気で、東京オリンピックのロードレースのコースにもなったことから、サイクリストにも注目される地にもなっています。人口は少ないといえども、都心から好アクセスで、多くの「交流人口」を持つ村なのです。
地域創生でのサテライトオフィスの活用

最近では、治体が企業向けのサテライトオフィスを開設し、ワーケーションを訴求しながら企業を誘致しようと試みています。サテライトオフィスの開設は、地方創生の一つの施策ではありますが、しかしながら、企業を誘致できた自治体は数えるほどで、今ではサテライトオフィスから撤退している自治体も存在します。総務省の出しているデータから見ると、2020年度末でのサテライトオフィス開設数は916箇所、翌年にはさらに506箇所が増設されたものの、73箇所では閉鎖しています。そこで、実際に利用対象となる企業の声をヒアリングしてみると、「その地域にわざわざ訪れる目的がないと、第二の拠点としてサテライトオフィスを構える必要性がない。」、「ワーケーションは従業員の個人の目的になりえても、企業の目的になりにくい。」「仮にワーケーション施設を設けるならば、社員みんなが公平に利用をできるものにしないといけない。」といった声が聞かれます。正直、道志村のサテライトオフィスもこのケースに当てはまるのではないかと懸念しました。
道志村の特徴と企業の目的とのマッチング

サテライトオフィスはあくまでも働く場であり、それが企業の目線から経営や戦略にどんな貢献があるのかを考えなければなりません。また、サテライトオフィスだけでなく、道志村の特徴を活かして提供できるメリットは何なのかを改めて捉え直しました。単純に「緑が豊かな自然の中で働ける」という言葉だけの訴求では、同じように自然が豊かな自治体との違いを出すことは難しいです。そこで、我々は「道志村の特徴をどう企業に活かせるのか?」「また体験してもらうために何をするのか?」について、3つの方向性を見出しました。一つは、他の自治体より先んじて進む人口減少・少子高齢化をポジティブに変えることで「村をテストフィールドとして活用」、二つ目は都心とは違った非日常感を活かした「ワーケーションにクリエイションをプラス」、そして最後にトレーラハウスの導入による「滞在型サテライトオフィス」での道志村の良さの実感といったことになります。これら3つの方向性から企業が道志村に行く目的をつくり、道志村だけでなく企業の経営にも貢献するwin-winの関係の地域創生を目指します。
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