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地域創生に向けた前例のないチャレンジ

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地域創生

2024.08.08 ライター:猪野浩樹

地域創生に向けた前例のないチャレンジ
秩父 横瀬町 寺坂棚田

横瀬町「よこらぼ」に見る地域創生

横瀬駅

全国の自治体の問題となっている少子高齢化。それを打破しようと各自治体も試みが行われているものの、なかなか解決策が見いだせていないのが現状です。特に人の雇用を生み出す企業誘致では、多くの自治体が誘致に魅力のある条件を用意して取り組んでいます。
そんな中、道志村と同様に山間部にある埼玉県横瀬町では、企業誘致へのきっかけづくりに官民連携プラットフォーム「よこらぼ」を立ち上げ、企業の町おこしのアイデアや技術の実証実験などを募集しています。「よこらぼ」は2016年にスタートし、これまでに提案200件以上、採択100件以上のプロジェクトが実施されています。今回の道志村の企業誘致プロジェクトの参考にと、「よころば」がどのように進められてきたのか、直接横瀬町役場の担当の方から話を伺う機会を得ました。

町長のリーダーシップが「よこらぼ」を牽引

横瀬川

横瀬町は現在人口約8,000人、埼玉県の秩父地域の東の玄関口として位置し、都心からのアクセスが抜群でありながら都会とは全く違った清流と山林の風景美が広がります。しかし、横瀬町は山々に囲まれた起伏の激しい地域であるがゆえに、広い敷地を必要とする工場の誘致には適さず、また高速道路や幹線道路も町内を通っていないため、企業の進出には不便という課題を抱えています。そんな課題がある中、何をきっけかに官民連携プラットフォーム「よこらぼ」をスタートし、実績を上げているのでしょうか?それは町長の掲げている“チャレンジ”に起因しています。
町長は民間企業と話した際に、企業は事業を成功させるために自治体と連携したいのに、それを受けてくれる窓口がないことに気づきました。特にスタートアップ企業にその想いが強くあるのを感じ、これはチャンスではないかと、横瀬町は官民連携プラットフォーム構築のチャレンジへと動きだします。

「日本一チャレンジする町」であるとともに「日本一チャレンジを応援する町」

寺坂棚田の風景

町長の一声が「よこらぼ」のきっかけといっても、単純にトップダウンでスタートとしたかというと、そうではありません。横瀬町の掲げる「日本一チャレンジする町」の下、行政は町民とともに「よこらぼ」は立ち上げ、実績を上げてきました。この「日本一チャレンジする町」には、人口減少が続き将来は町自体が消滅する危機感を持つからこそ、行政と町民が一緒になり前例のないチャレンジを通じて未来を変えたい、という想いが込められています。実際、町長はよく役場の職員にチャレンジの必要性を説き、またメディアを通して「日本一チャレンジする町」として横瀬町を発信しています。
また、横瀬町は「日本一チャレンジする町」とともに「日本一チャレンジを応援する町」も掲げています。「よこらぼ」の狙いは、未来を変えられる企業のアイデアや技術を町に集めるということである一方で、その企業のチャレンジを町全体で応援し成功を目指しています。つまり、「よこらぼ」は新しいアイデアや技術を通じて社会のためにチャレンジする企業を応援するプラットフォームなのです。

官民一体で未来を変える

あしがくぼの氷柱

横瀬町の「よこらぼ」からは、企業のプロジェクト募集の仕組について参考になるのはもちろんのことですが、地域創生には行政と町民がともに未来を変えようと一体となることが必要条件である分かります。役場の担当者からは、「日ごろ町長の話から『チャレンジ』という言葉が良く聞かれるので、失敗しても良いからまずは『チャレンジ』だという認識は役場内に広がっている」と。また、最近では町民からも身近な課題に対する想いと工夫に詰まった提案も出てくるようになったといいます。
「よこらぼ」を見るに、官民連携プラットフォームといった仕組みができたとしても、官民一体で町の未来のために行動を起こさなければ、新たな未来は描けないと気づかされます。

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