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東京での「仕事時間」をオフにする異世界の入口

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ワーケーションとデザイン

2022.05.16 ライター:小貫信比古

東京での「仕事時間」をオフにする異世界の入口
Photo by SDX

見つけたサテライトオフィス

「自分が今、取り組みたいことに集中できる日を作ろう」、そう考えて借りた山梨県道志村のサテライトオフィス。 東京から車で1時間半の道志村。サテライトオフィスを探すまでは耳にすることがなった道志村。 山に囲まれた谷あいにある道志村にたどり着くには、険しく長い山道を運転しないと行けません。 この交通の便の悪さが、一部のバイク好きの方やキャンプ好きの方以外には、知名度が低い理由かも知れません。

山道の運転がスイッチ

普段はできない自分の仕事時間を確保したい私にとっては、逆に素晴らしいポイントです。
その道中が都心での仕事時間からスイッチするための助走になっているのです。 道志村に至るまでの険しい山道を安全に運転するためには、ハンドル操作にグッと集中しないとダメです。 慣れない山道を走る間、運転にだけ集中することで、都心での日常の仕事からいったん忘れることができます。 自然とスイッチがオフになる感覚となり、さらに、ぐるぐると山道のカーブを巡っているうちに、違う世界に迷いこんだ気がします。

新たな世界に入る

最後は長いトンネルを抜けると、そこで完全に切り替わった感覚を持てるのです。 それはまるで、「千と千尋の神隠し」で主人公の千が異世界に入り込んだ感じに似ています。 千がトンネルを抜けて現実世界と行き来したように、長いトンネルを抜けて非日常の世界に入るのです。 トンネルを抜けた後にしばらく坂を下っていくと、そこには、道志村の新たな世界が広がります。 木が生い茂る林の中から人家が見えて来た瞬間に、その土地に生きている人を感じ、新たなスイッチが入るのです。 今度は、違う世界で仕事をするという感覚。 組織のための仕事から自分のための仕事に切り替わったことが確信に変わるのです。

非日常の「仕事時間」へ

サテライトオフィスは人家に入ってから300mくらいの細い道を上がった所にあります。
いつもは私がオフィスに1番乗りなので、そこに人の気配はありません。
鍵を開けて、人の気配のない大きな学校のようなオフィスに電気をつけ、そして暖房をつける。
これによって静まり返った大きな空間が動き始めます。
それはまるで、オフィスに生命を吹き込むような感じがします。
そして、遠くの緑豊かな山々を眺めながら席に着く。
既に「自分仕事」モードに入っている私ははすぐにサテライトオフィスでの非日常の「仕事時間」へと入っていくのです。

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コラムを担当したデザイナーについて

土屋 真の写真

土屋 真Tsuchiya Shin

デザイナーの⼟屋真は、一級建築士として建築デザインを行ってきました。現在では移動する空間のデザインを専門としています。

土屋は研究者としての側面も持っており、トレーラーハウスの利用についての研究で博⼠号を取得しています。

国内の設置事例に関する数々のフィールドワークや製造現場の調査などを⾏っています。

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