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トレーラーハウスとインフラ接続のポイント
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2025.01.06 ライター:土屋真

水道・電気の接続

近年、自由なライフスタイルを求める人々の間でトレーラーハウスの人気が高まっています。移動可能な住まいとしての利点を持つ一方で、快適に生活するためには適切なインフラ接続が不可欠です。今回は、トレーラーハウスが水道、電気、ガス、下水とどのように接続されるのか、その具体的な手法と注意点について詳しく解説します。
・水道の接続
水道の接続に関しては、敷地近傍の道路から引き込むのが一般的です。ここで注意が必要なのが、引き込みの距離です。面積の大きい敷地の場合では道路からトレーラーハウス設置位置までの距離が長くなる傾向があります。基本的に水道管は地面に埋設するものなので、距離が長くなるとそれだけコストがかかってしまいます。敷地の形状に合わせてトレーラーハウスの設置位置を検討する必要があります。
・電気の接続
次に、電気の供給について考えてみましょう。トレーラーハウス近傍に電柱が設置されている場合は、一度地面に電線を埋設しトレーラーハウスのシャーシの下でトレーラーハウス側の電源ソケットと接続するのが一般的です。ここでも、水道を引く時と同じ原理が働くので距離が長くなるほどコストがかかるということになります。
電気の場合ですと太陽光パネルと蓄電池を組み合わせることも可能ですが、それはそれでコストがかかるでしょう。
ガス・下水との接続

・ガスの接続
ガスの供給方法についても触れておきましょう。都市ガスが利用できない地域では、プロパンガスが一般的です。トレーラーハウス内にはガス給湯器を設置し、外部にはガスボンベと接続するホースを設けています。このホースは手動で交換できる仕組みになっており、簡単にガスボンベの交換が可能です。これにより、日常生活に必要な熱源を確保することができます。
・下水との接続
トレーラーハウス内にはシャワー、トイレ、キッチンが設けられているため、排水の処理が重要なポイントです。トレーラーハウス設置場所は都市部というよりは自然豊かな場所が多いので、公共の下水がない場合があります。その場合は浄化槽に接続することになります。一般的には合併式浄化槽が用いられます。上記のシャワーやキッチンなどの雑排水やトイレなどの汚水をまとめて浄化します。これにより汚染物質の量を表すBODの除去率は90%以上になり、処理水が河川などへ返されることになります。日本の基準ではBODは1リットルあたり20mg以下にして排水することになっておりますが、湖などの閉鎖的な水域などではより厳しい値が採用されている場合があるので注意が必要です。
フレキシブルな接続方法

インフラ接続の方法として、専用パーツを使用した手動の着脱が可能です。カムロックという接続パーツを使用することで可能となります。手動で着脱ができない場合、トレーラーハウスが土地に定着しているものとみなされ、建築物となる場合があるので注意が必要です。
トレーラーハウスを設置する際は、水道、電気、ガス、下水など、インフラとの接続方法をしっかりと理解することが不可欠です。それによってトレーラーハウス設置コストを算出することが可能で、トレーラーハウスの設置を具体的に検討することが可能になります。自由なライフスタイルを実現するための一歩として、トレーラーハウスの導入をぜひ考えてみてはいかがでしょうか。
コラムを担当したデザイナーについて

土屋 真Tsuchiya Shin
デザイナーの⼟屋真は、一級建築士として建築デザインを行ってきました。現在では移動する空間のデザインを専門としています。
土屋は研究者としての側面も持っており、トレーラーハウスの利用についての研究で博⼠号を取得しています。
国内の設置事例に関する数々のフィールドワークや製造現場の調査などを⾏っています。
ご要望に応じた提案をご用意します。
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