COLUMN
- #トレーラーハウス
- #サステナブル
- #建築家
- #ライフスタイル
トレーラーハウス設置にかかる費用とは?
- カテゴリー
- ワーケーションとデザイン
2024.11.04 ライター:土屋真

トレーラーハウスには思わぬコストが伴う?

トレーラーハウスの設置は、多くの人にとって夢の実現ですが、その過程には思わぬコストが伴うことが多いです。特に大型のトレーラーハウスは、一般的に800万円以上の価格帯となり、その購入だけでなく、さまざまな追加費用が発生することを理解しておくことが重要です。
まず、本体の費用に加え、インフラの整備にかかるコストが重要な要素です。水道、下水、電気、インターネット、ガスといった生活に必要なインフラは、設置場所の条件によって大きく異なります。例えば、水道を引く場合、近くにある水道管から接続するための工事費用が発生します。また、下水が利用できない場合は、敷地内に浄化槽を設置する必要があり、これにも費用がかかります。
さまざまな追加費用

電気の供給も考慮しなければなりません。近くの電線からの引き込み工事は専門業者に依頼する必要があり、その費用も無視できません。同様に、インターネットの接続も必要です。これらのインフラ整備は、トレーラーハウスでの快適な生活には欠かせない要素です。
さらに、ガスの供給方法も選択肢によって異なります。都市ガスが利用できる場合は、その接続工事が必要ですが、そうでない場合はプロパンガスを利用することになります。この場合、トレーラーハウスの横にプロパンボンベを設置することになりますが、これにも設置費用がかかります。
輸送費用も忘れてはいけません。トレーラーハウスを製造した場所から設置する土地まで運ぶためには、専門の業者による輸送が必要です。このため、距離に応じた輸送費が発生し、特に大型のトレーラーハウスは重いため、特別な車両が必要となります。
コストを理解して理想のトレーラーハウスライフを

また、設置場所によっては土地の地目の変更手続きが必要です。例えば、農地だった場所にトレーラーハウスを設置しようとした場合、雑種地への変更が必要な場合があります。この手続きには、行政書士などに外注することが多く、その際の申請コストも考慮する必要があります。土地の用途変更は、思った以上に手間がかかることがあるため、計画段階で十分に調査を行うことが求められます。
最後に、自治体によってはトレーラーハウスの車検登録や建築確認を求められる場合があります。これも地域によって異なるため、事前に調べておくことが重要です。設置場所行政の建築審査課で確認すると良いでしょう。仮に建築確認が必要となると、トレーラーハウスを地面に緊結する必要が発生し、その工事費用や建築士事務所による確認申請費用が必要となります。こうなってしまうとコストが嵩むのとトレーラーハウスの可動性が失われてしまうので、もはやトレーラーハウス以外の方法を模索した方がよいかもしれません。車検登録手続き関しても、特殊な形状のシャーシにする必要があります。上記2点は設置前に確認しておくと良いと思います。
これらの要因を総合的に考慮し、トレーラーハウスの設置を計画することで、予期しない出費を防ぎ、スムーズな導入が可能になります。トレーラーハウスを購入・設置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
コラムを担当したデザイナーについて

土屋 真Tsuchiya Shin
デザイナーの⼟屋真は、一級建築士として建築デザインを行ってきました。現在では移動する空間のデザインを専門としています。
土屋は研究者としての側面も持っており、トレーラーハウスの利用についての研究で博⼠号を取得しています。
国内の設置事例に関する数々のフィールドワークや製造現場の調査などを⾏っています。
ご要望に応じた提案をご用意します。
まずはお問合せください。