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村で本屋をやるということ 前編

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地方移住

2024.11.11 ライター:もくめ書店

村で本屋をやるということ 前編
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道志村に1軒だけの本屋

わたしの本屋「もくめ書店」があるこの村、道志村の人口は2024年9月の時点で1510人。

わたしが移住してきてから2年のあいだに、寂しいけれどどんどん減っているというのが現実だ。
移住者も毎年いるし、これから移住したいという声もよく聞くけれど、実際は出ていく方や高齢で亡くなっていく方の方が多いのだと思う。
その現状をふまえて、ここでなぜ本屋をやろうと思ったのかということを2回に分けて書いてみようと思う。
毎日のように本屋に訪れるお客さんにも非常によく聞かれる質問だし、村に移住する上で生業というのは非常に大切だと思うから。

本屋の現状

今、悲しいかな日本中で本屋さんがどんどん閉店に追い込まれている。(全国の本屋さんの数は2003年は20880店でしたが、2023年には10918店と20年間で約半分にまで減少*出版科学研究所調べ)
実際、政府が動き出そうとするくらいには由々しき事態になってきている。(今年経済産業省が本屋を救済する措置に乗り出すことを発表)今、本屋が成り立たないことには様々な要因があると思う。家賃、光熱費などのコストが増えていたり、アマゾンなどのネットショップの台頭、それ以上にスマホなどの普及によって本を読まない層が増えていること。

この時代に本屋をやるということはとてもとても大変なことだと認識している。
それなのになぜ人口1500人の村で本屋をやろうと思ったのか。
正直、ふつうに考えたら正気の沙汰じゃないことは自覚しているつもりだ。

本屋行くこと

もちろん本が好きで純粋にたくさんの人たちに本を届けたいというのが基本にあるのだけれど、引っ越す前から何度も道志村に通って村の人たちとも交流するうちに、ここで育つ子供たちは近所の本屋という存在を知らないんだなとふと思ったことがあった。
そう思ったら猛烈にさびしくなって、それはどうしてもまずいのではと思ったのだ。
わたしは「人は本屋に行くべき」だと強く思っている。
それは実は本を読むということ以上に大切だと思う。
なおかつそれは人生の早い時期からである方が良いのではないかとも思う。

幼少期に本屋さんに連れて行ってもらっていた子は自然に自分でも行くようになるし、本の選び方がわかるし、そうなるとまず本を読むということに抵抗がない。
本を読みなさいとはよく言うけれど、本屋に行きなさいとはあまり言われないと思う。
でもわたしは本屋に行くことそのものがけっこう大切だと思うのだ。
なぜなのか……次のコラムでその理由を移住する前に働いていた新刊書店の頃に感じていたことを交えて書きたいと思う。

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